妊婦の便秘の種類 直腸性便秘

便意の我慢が招く直腸性便秘に要注意!

 

直腸性便秘は、直腸や肛門の機能がうまく働くなることでおこる便秘です。

 

男性、女性ともに見られるタイプの便秘ですが、便意をあまり感じないのが特徴です。妊婦にもこのタイプの便秘を患う人が見られます。

 

そこで今回は、直腸性便秘についてその原因や解消法をみていきたいと思います。

 

 

妊婦の便秘の種類 直腸性便秘(ちょくちょうせいべんぴ)

 

便秘には、様々な種類があります。大きくは、器質性便秘と機能性便秘の二つに分けられます。器質性便秘とは、別の疾患が腸に影響を与えることで起こる便秘です。機能性便秘とは、主に生活習慣の乱れが原因で腸の機能が低下して起こる便秘です。

 

さらに、機能性便秘には、一過性便秘と習慣性便秘の二つがあります。

 

一過性便秘はその名の通り、突然の環境の変化などが原因でおこる一時的な便秘です。それに対し、習慣性便秘は、長期にわたる生活習慣の乱れが主な原因でおこる慢性化した便秘です。その習慣性便秘は、弛緩性便秘痙攣性便秘、直腸性便秘の3種類に分けられます。

 

今回は、習慣性便秘の一つである直腸性便秘について詳しく見ていきます。

 

直腸性便秘とは

直腸性便秘は、機能性便秘の一種です。他の便秘と違い、大腸は機能しているのに、直腸や肛門の問題によって、排便がスムーズにできないことからおこる便秘です。普通、食べたものは、胃から、小腸、そして大腸へと運ばれ、便となって直腸まで運ばれます。直腸まで便が到達すると、便意がおこり、外に押し出す動きが見られるものです。

 

しかし、直腸性便秘の場合、直腸や肛門に問題があり、便意がおこらず、直腸付近で便が長時間止まり、便秘になってしまうのです。

 

 

直腸のトラブルからおこる直腸性便秘の症状

では、直腸性便秘の症状について見てみましょう。

 

便意を感じなくなる

直腸性便秘の大きな特徴の一つが、便意を感じなくなることです。直腸性便秘の場合、大腸は機能していますから、直腸まで便はちゃんと運ばれています。

 

ところが、なんらかの理由で直腸のセンサーが鈍くなっていて、便が直腸に達しても、便意が起こらないのです。直腸のセンサーが反応しないと、便意を感じることができず、便を外へ押し出そうとする動きも起こらなくなります。

 

硬いうえに、太い便

直腸まではスムーズに移動してきた便が、直腸で留まった状態にあるのが、直腸性便秘です。
直腸まで順調に運ばれた便は、直腸で水分を奪われ、乾燥して硬くなっていきます。

 

直腸は、大腸よりも太いので、直腸に停滞したまま硬くなった便は、硬いうえに、太く、ますます排便するのが困難になっていきます。
そのため、便秘を悪化させてしまいがちです。

 

排便時の痛み

直腸性便秘の場合、便は太くて硬くなります。
そのために、強くいきまないと排便が困難になりますし、排便時に痛みがともないます。

 

しかも、便が太くて硬いため、肛門に負担がかかります。
直腸の内壁を傷つけたり、肛門が切れたりすることもあります。
肛門が裂けて、出血する場合もあり、それが原因で切れ痔になる人もいます。

 

また、長時間いきむことは、いぼ痔の原因にもなりかねません。
痔になると、排便痛をさけるために、ますます便意を我慢するようになり、それが直腸性便秘を悪化させることになります。

 

便をもらす

稀なケースではありますが、直腸性便秘がかなり悪化している場合、便をもらしてしまうこともあります。

 

直腸性便秘というのは、肛門を硬い便が蓋をしているような状態です。しかし、便は次から次へと大腸から送られてきます。

 

そして、詰まった便と便の間から、新しい便がもれてきてしまうことがあります。便意を感じなくなっていますので、直腸性便秘が悪化すると、自分でも知らないうちに、便をもらしてしまうこともおこり得るのです。

 

口臭、体臭がきつくなる

直腸に留まったままの便は、腐敗し、有害なガスを発生しはじめます。

 

直腸には、様々なものを吸収する働きがあるため、そのガスは直腸から吸収されます。そして、血液を通して、有害なガスが体中に送られることになるのです。そのガスは、汗や呼気とともに排出されます。

 

そのために、体臭や口臭がきつくなってしまうことがあります。

 

摘便が必要

直腸性便秘を放っておくとどうなるかというと、直腸に留まり、ふたのように硬くなった便がますます、硬くなり、どんどんカチコチの状態になっていきます。

 

そうなると、いきんだくらいでは、排出不可能となってしまいます。少し肛門から出かかっているにもかかわらず、いきんでも出ない、出そうなのに出ないという状況になりかねません。ひどい場合は、石のように硬くなっていることもあるのです。

 

このような状態にまでなってしまうと、摘便をするしかありません。摘便とは、指で便を掘り出すことです。自分で行う人もいます。病院で医師や看護師が治療として行う場合もあります。

 

肛門から直腸にかけて出口をふさいでいた硬い便を取りのぞいてやることで、やっと排便できる状態になります。

 

便秘薬を飲むと下痢になる

普通よく薬局で売られている便秘薬は、大腸の機能を活性化させて排便を促すものが多いのです。でも、直腸性便秘は、大腸の機能が低下しておこる便秘ではありません。大腸自体はちゃんと働いている状態です。

 

そこに、大腸の機能を活性化させる便秘薬を飲むとどうなるかというと、腸の活動が過剰になり、下痢になってしまうことがあります。第一、妊娠中に、刺激の強い薬を使うことは、あまりおすすめできません。素人判断は危険ですので、薬を使う場合は、医師に相談することをおすすめします。

 

 

妊娠中の女性の直腸性便秘体験談

もともと、便秘に悩む女性は多いと言われていますが、妊娠すると、便秘とは無縁だった女性までも便秘になることが多いと言われています。

 

まずは、妊娠中の女性の体験談をご紹介しましょう。

 

いきんでも大丈夫とはいうけれど…  23歳 Mさん 妊娠7ヶ月

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初めての妊娠で、ちょっとナーバスになりすぎているって周りには、言われます。でも、私って、どっちかというと心配性なんですよね、もともと。だから、妊娠して、いきめなくなっちゃったんです。産婦人科の看護婦さんには、「子宮口が空いてるわけじゃないから、少しくらい、いきんでも大丈夫よ〜」と言われたんですが、でも、心配で。

 

でも、いきまないせいか、最近便秘気味。というか、トイレ行きたいって感覚がこのところないんです。次の検診で、相談したほうがいいかなって悩んでます。

 

我慢しすぎて、摘便する羽目に  31歳 Hさん 妊娠8ヶ月

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妊娠8ヶ月の事務職です。主人の父の会社で働いています。最近お腹も大分と大きくなってきましたが、会社も人手不足なんて、ぎりぎりまで働く予定。つわりも軽く、快調にきていましたが、7ヶ月くらいから便秘気味で、しかも切れ痔になっちゃいまして。

 

お通じの度に傷口が開いて痛いし、職場のトイレって一つしかなくて、長くこもるわけにもいかないしで、ついついトイレ行きたいのも我慢するようになって。そしたら、気が付いたら1週間以上もお通じがない!でも肛門のあたりを触ると硬くなっている…。

 

ネットでいろいろ調べたら、どうやら私のケースは、硬い便が肛門あたりで出口をふさいでいる状態らしいのです。で、その対処法は、摘便!摘便といのは、自分の指で肛門付近の硬くなった便を掻き出すこと。しかし、これを病院で人にやってもらうのはもっと嫌ですよね。泣く泣くやりました。

 

ほんと、我慢のしすぎはよくないなと反省しました。

 

便秘薬に頼っていた私の場合  27歳 Fさん 妊娠3ヶ月

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高校生の頃からどちらかと言えば、便秘気味だった私。

 

会社員時代は5日も出ないなんてことはしょっちゅうで、便秘薬で出すのが当たり前になってました。それが、妊娠して困っています。妊娠中って、薬って気軽に使えないでしょ。でも、なんか、私の場合、薬で出すのが癖になってるみたいです。薬局の便秘薬は心配なので、産婦人科で相談しようと考えています。

 

 

妊婦が直腸性便秘になる原因とは?

直腸性便秘とは、直腸のトラブルからおこる便秘です。
では、何が原因で直腸がうまく機能しなくなってしまうのでしょうか?

 

妊婦が直腸性便秘になる原因を詳しくみてみましょう。

 

便意の我慢

直腸性便秘をひきおこす、最も大きな原因は、便意を我慢することです。直腸まで便が到達すると、便意をもよおすのが普通です。

 

でも、便意をもよおしているのに、排便を我慢することが何回も続くと、直腸に便があることに慣れてしまいます。そうすると、便がある状態が普通になってしまい、直腸の神経が刺激に反応しなくなってしまいます。そのため、刺激が脳に伝えられず、脳からの「排便しろ」という命令が出されなくなるので、便意を感じられなくなるのです。

 

便意を我慢するのは、様々な理由が考えられます。出先で長い時間トイレにこもれないという状況もあるでしょう。働く妊婦さんの場合だと、仕事中は、忙しくてトイレをつい我慢してしまうこともあるでしょう。

 

もともと痔をわずらっている人は、排便痛があるため、便意を我慢する傾向があり、それによって直腸性便秘を引き起こすこともあります。また、直腸性便秘の場合、便が太くて硬いため、切れ痔になりやすく、切れ痔なると排便痛がひどいため、便意を我慢してさらに便秘を悪化させる傾向にあります。

 

子宮による圧迫

妊娠後期にもなると、お腹の中の赤ちゃんも大きくなり、子宮が他の臓器を圧迫するようになります。大腸や直腸も常に子宮からの圧迫を感じている状態で、そのために、直腸の神経が刺激に対してだんだんと鈍くなってしまいがちです。

 

また妊娠後期になると、骨盤底筋の働きが弱くなり、直腸と肛門がまっすぐになりません。そうなると排便がスムーズにいかなくなり、直腸に便が留まったままになりがちで、そのため直腸性便秘になることもあります。

 

いきめない

レアケースとして、女性の場合、上手にいきめないことが原因で直腸性便秘になるケースもあります。力をいれていきんでいるつもりなのですが、顔は赤くなっても、お腹には力がはいってないという状態です。その逆に、いきんだ時に、肛門括約筋にまで力がはいってしまい、いきめばいきむほど、肛門を強く閉じてしまう癖を持っている人もいます。

 

また、妊娠中の女性の場合は、怖くていきめないという人も多くいます。子宮口が開いていない状態では、少しいきむくらいで、流産や早産になることはありません。しかし、やはり、長時間、無理にいきむのは、血圧の上昇や、子宮の収縮を招く可能性があるので、あまりおすすめできません。

 

それから、女性にたまに見られる症状に、直腸瘤と呼ばれるものがあります。いきむと直腸が膣側に膨らんでしまうものです。直腸瘤が悪化すると、便が通路を妨げられてしまい、その場合は医師による治療が必要になります。稀なケースですが、疑わしい場合は、医師の診断を受けましょう。

 

便秘薬の常用

妊娠前から便秘で、便秘薬を常用していた場合、それが原因で直腸の刺激に対する感覚が鈍っている場合があります。どうしても、自力で排便できない状況では、薬を使うことは仕方ないかもしれません。でも、便秘薬や浣腸は、腸に強い刺激を与えることになり、腸に負担をかけることになってしまいます。これらの薬を常用すると、直腸の感覚を鈍らせ、便意を感じなくなってしまうこともありますし、薬なしでは排便できなくなる人もいます。

 

また、便秘薬には、様々な種類がありますが、中には、大腸の蠕動運動を活性化させることで、便秘を解消させる薬もあります。このタイプの便秘薬を、大腸の機能に問題がない直腸性便秘の人が服用した場合は、下痢になってしまう場合もあります。

 

間違った便秘薬の服用は、このように弊害を引き起こす可能性がありますし、第一、妊娠中の場合は、安易な便秘薬の服用は危険をともないます。独断で服用せずに、必ず産婦人科の医師に相談しましょう。

 

 

妊婦の直腸性便秘の解消法

妊娠中の女性が直腸性便秘になる原因は、先に見た通りです。

 

中でも一番の大きな原因は、便意の我慢です。直腸性便秘の解消と予防には、便意を我慢しないことが大切です。ただ、どんなに気をつけても、妊娠中は、子宮による腸の圧迫や、思いっきりいきめないなど、改善が難しい問題も残ります。

 

ですから、日頃から、腸内環境を整え、便秘になりにくい体質づくりが大切になってくるのです。

 

まとめ

直腸や肛門のトラブルで、便が直腸に到達しているにもかかわらず、便意がおこらなくなることが原因でおこるのが、直腸性便秘です。

 

大腸はちゃんと働いているので、直腸までは、きちんと便は送り届けらます。しかし、直腸や肛門付近の神経が刺激に鈍くなってしっているために、便意が感じられなくなっており、そのために直腸に便が溜まってしまって便秘になってしまうのです。

 

直腸性便秘の場合は、便が硬く太いために、排便痛をともなうことも多々ありますし、悪化すると摘便が必要になることもあります。また、それが原因で痔になるケースもよく見られます。

 

妊婦が直腸性便秘になる原因には、便意の我慢、子宮による内臓圧迫、いきめないこと、妊娠以前からの便秘薬の常用などがあります。妊婦の直腸性便秘の解消には、これらの原因を取り除くことが必要ですが、妊娠の継続のためには、取り除くことができない原因もあります。

 

ですから、日頃から、腸内環境を整えて、少々のことでは便秘になりにくい、元気で健康な腸をキープすることが重要になってきます。

 

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